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◆ 4月からの挑戦が、夏に実を結ぶまで
今年4月、私たちは新たな取り組みとして農業事業をスタートしました。まだ1年目ということもあり、畑作業はまさに手探りの連続。
土を耕し、種をまき、苗を植え、水をやり…ひとつひとつの作業に戸惑いながらも、少しずつ畑に生命の色が広がっていきました。
春の柔らかな日差しの中で小さな芽を出した野菜たちは、梅雨を越え、夏の強い日差しを受けてぐんぐんと育っていきました。
◆ 畑に広がる季節の彩り
畑に立つと、そこにはまるで絵本のような光景が広がっています。
トマトやナス、きゅうりは青々とした葉を大きく広げ、赤や紫の実を少しずつ実らせています。
その隣では、ししとうやピーマンが小ぶりな実を次々とつけ、ささやくように風に揺れています。
背丈ほどに伸びたとうもろこしや枝豆は、夏の畑に迫力を与え、ブロッコリーやケールは大地に力強く根を張り、濃い緑で畑を彩ります。
ズッキーニやおかわかめ、とうがらしといった少し珍しい仲間たちは、畑にちょっとした遊び心を添えてくれました。
地面を覆うように広がるスイカやかぼちゃのつる、大根やオクラがのびのびと育つ姿も加わり、畑はまるで季節の舞台のよう。
小さな芽だったものが、雨や風、太陽の光を受け、日ごとに表情を変えていく様子は、まさに自然の物語そのものです。
◆ 初めての収穫と食卓へ
そして8月、待ちに待った収穫の時期がやってきました。
かごいっぱいに並んだ野菜を前に思わず笑顔に。畑に立つと、あのとき植えた小さな苗の姿が思い出され、胸が熱くなります。
収穫した野菜は、保育園・こども園の給食の一部として提供されました。
子どもたちは何気なく口にしているけれど、その一口の背景には、畑での挑戦や汗が詰まっています。畑から食卓へとつながるその瞬間は、職員にとって何よりの励みとなりました。
◆ 自然の厳しさと学び
とはいえ、すべてが順調だったわけではありません。
今年は記録的な猛暑の影響もあり、葉がしおれてしまったり、実が小ぶりにしかならなかったり、思うように育たない野菜も多くありました。
さらに、収穫を目前にした野菜が動物に食べられてしまうこともありました。せっかく大切に育ててきた実が一晩で姿を消してしまったときには、がっかりと肩を落とす職員も少なくありません。けれどそれもまた、自然と共に生きる農業ならではの出来事。人の力だけではどうにもできない現実を前に、「では次はどう守ろうか」と考えるきっかけにもなりました。
自然を相手にする農業は予想外の出来事の連続です。けれども、その一つひとつの困難が、次への工夫や学びにつながります。
「どうすればもっとよい環境で育てられるのか」―― 畑に立つたびに、問いかけと挑戦が生まれ、前に進む力になります。
その姿勢は、子どもたちの成長を支える私たちの仕事にも通じています。思うように進まないことがあっても、環境を整え、根気強く見守ることで、子どもたちも少しずつ芽を出し、花を咲かせ、実を結んでいくのです。
◆ まだまだ道半ば。だからこそ楽しみ
初めての収穫を迎えられたことは大きな一歩。ですが、園の給食すべてを自園の野菜でまかなえるようになるには、まだ道半ばです。
けれども、だからこそ未来があります。土に触れ、自然と向き合い、試行錯誤を重ねることは、確かな前進の積み重ね。小さな芽が季節を経て大きく育つように、このプロジェクトも少しずつ広がりを見せていくはずです。
🌱 畑から始まった小さな挑戦が、やがて地域と子どもたちの食卓を彩る実りとなるように。
これからの「あぐりねっと」に、どうぞご期待ください。