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2025.6.2 【子どもたちの“感じる”を育てる――臨床美術の時間が始まりました】

今年度より、キッズランドでは新たな取り組みとして「臨床美術」を導入しました。
この活動は、専門的なアートプログラムでありながら、完成度や上手・下手といった評価を目的とせず、「自分が感じたことを素直に表現する」ことに価値を置いています。子どもたちが自由に、のびのびと自己表現を楽しむことを大切にしています。

記念すべき初回は、「いろいろな線を描いてみよう」をテーマに、オイルパステルを使った活動を行いました。
子どもたちは机に向かうと、思い思いに好きな色のパステルを手に取り、まっすぐな線、ジグザグな線、点々、ぐるぐる……と、自分の気持ちのままに自由な線を描いていきました。「線が重なるとおもしろい!」「この色、きれい!」という声があちこちから聞こえ、表情からも楽しさがあふれていました。

ある子は、色を何層にも塗り重ねた後、割り箸でカリカリと削ってみました。すると、下に隠れていた鮮やかな色が現れ、「見て見て!色が出てきた!」と目を輝かせて教えてくれました。それを見た周りのお友だちも「やってみたい!」と次々に挑戦。さらに塗っては削ることを繰り返しながら、思いがけない表現の広がりが見られました。

普段は活動への参加に少し消極的だったお子さんが、自ら進んでパステルを手に取り、夢中になって線を描いている姿もありました。
臨床美術がもたらす「自由に表現していい」「感じたままで大丈夫」という安心感が、子どもたちの心にそっと寄り添っていることを感じた瞬間でした。

臨床美術の魅力は、ただ表現する楽しさだけではありません。
色や感触、音、リズムといった五感への刺激に加え、活動中のやりとりを通じて、子どもたちの感性が自然と引き出されていきます。そして、次第に「自分を認める気持ち」や「他者の表現を大切にする心」も育まれていきます。

これからも、子どもたち一人ひとりが自分自身と向き合い、「自分らしくいられる時間」を大切にしながら、臨床美術の取り組みを継続していきます。
日常の中で育まれていく子どもたちの豊かな感性や、生きる力を、あたたかく見守っていただければ幸いです。

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