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「いただきます」と手を合わせるその瞬間に、子どもたちはどんなことを感じているでしょうか。
私たちは、子どもたちが日々口にする食べ物の“背景”に目を向けることで、感謝の気持ちや自然への関心が育まれると考えています。
その思いから、当法人ではこれまでも栄養士・調理師・保育士が連携し、日々の保育の中に“食育”の視点を取り入れてきました。
そして昨年度より実践的な取り組みとして試験的にスタートしたのが、農園プロジェクト“あぐりねっと”です。
今年度からはいよいよ本格始動し、現役農家さんのご指導のもと、職員が有機野菜の栽培を行う活動が始まっています。
◆ 食を育てる、心を育てる
この取り組みの大きな特徴は、「子どもが育てる」のではなく、職員が責任をもって育てるという点です。
現時点では、園児が畑に出入りすることはありませんが、職員が育てて収穫された野菜は、食育活動や日々の給食の中で子どもたちに紹介されます。
例えば、収穫したばかりのトマトを丸ごと見せたり、調理前に触れてみる機会をつくったり、「このトマトは〇〇先生が一生懸命育てたんだよ」と伝えるだけでも、子どもたちの目はキラキラと輝きます。
野菜がどのように育つのか、自分たちの生活と自然がどうつながっているのかを、経験として学ぶことができるのです。
◆ 栽培している野菜のラインナップ
たくさんの種類の野菜を栽培しています。
トマト/ナス/きゅうり/ピーマン/オクラ/しそ/ねぎ/
サツマイモ/かぼちゃ/スイカ/バジル/セロリ/パセリ/
ししとう/スナップエンドウ/いんげん/大豆/トウモロコシ
畑の土に触れ、気温や天気、虫の動きに注意しながら野菜の育ちを見守ることは、職員にとっても新たな学びの連続です。
成長の様子は随時写真で記録しており、保護者の皆様にも随時共有していく予定です。
◆ 今後の展開と目指す姿
今後は、職員による収穫イベントや、調理職員と連携した“園内レストランごっこ”のような活動とも結びつけていきたいと考えています。
ただ食べるだけでなく、「この野菜、先生が育てたんでしょ?」「この味、ちょっと苦いけどおいしいかも」といった気づきが、子どもたちの心と舌を育ててくれるでしょう。
将来的には、子どもたち自身が栽培に関わる活動への展開も視野に入れつつ、まずは安心・安全な環境のもとで“本物の食”に触れる第一歩を大切に進めてまいります。
職員が丹精込めて育てた野菜たちが、子どもたちの好奇心をくすぐり、心を育てるきっかけとなるように。
これからの「あぐりねっと」に、ぜひご期待ください。